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偽善と自己満足の狭間で

一杯のスープ


コンビニで、カップスープを買う。
ポットのお湯の温度が
きっちりと沸騰しているか
確認してから、お湯を注いでつくる。

毎週月曜日
K橋のたもとにいる女性に届ける。
偽善だ
自己満足だと
自分で思う。
私が起こせる行動は
せいぜいこれくらいなのだ。

「こんばんは。
どうぞ
熱いのできをつけてください」

周囲に雪の残る
いつものベンチ。
その女性は
はめていたフリースのてぶくろを
急いで引き抜き
手で、カップから伝わる
温かさをにっこりとまず
味わって
「ありがとね。ほんとにね」と
くらがりの中で
笑ってくれたのがわかった。

どういういきさつで
どうしてここにたどりついて
いったいどれくらいになるのか。
出身地もなまえも
一切知らない。
オフィス街の片隅に
外で夜明かしをするひとびとは
思いのほかたくさんいる。

3年前、冬の間
別の場所にいたおじいさんは
毎回自分の居場所を
真新しい段ボールで
ていねいにしつらえるこだわり派だった。
出勤前の早朝
通りがかるとき、温かいものを
ひとつだけ差し入れしていたが、
昼間に、用事があって通りがかると
手を上げたり、挨拶は一切せず
私を無視した。
朝は「よお。おはようさん」と
にっこりと一本しかない歯をみせて
わらってくれたが。

春先の冷え込みの厳しいある朝
突然段ボールは空っぽになり、
数日のうちに
全てが跡形もなく撤去され
橋の欄干に、使っていた拾い物の
ふとんばさみがひとつ
所在なげにぶら下がっていた。
どこかに保護されているといいなと
希望的観測にすがるしかなかったのを
思い出す。

暖冬と言われていたが
夜明けから朝方の冷え込みは
ここしばらく、本当にきびしい。
暦は間もなく春になる。




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